英書講読 第3回

講義

  • 講読テクスト

写真論1 第2回

講義

  • 写真前史
  • 写真前史
    • 穴/レンズと感光体
    • 幾何学的遠近法(透視図法)とイリュージョン
      • =二次元の画面上で、三次元(空間)を表す「さまざま」な仕方:一つではない
      • 近代以前の日本における遠近の表し方=画面内での上下が奥行きとして読まれる
      • ルネサンス期における「幾何学的遠近法」
        • 「世界に開かれた窓」としての絵画=三次元空間というイリュージョン
    • 様々な描画装置

教養概論(東京理科大学)

芸術学概論(1) 第2回

講義

  • 視覚的(visual)なもののリテラシーとコミュニケーション
    • ヴィジュアル・リテラシー=視覚的読解能力
    • リテラシー(Literacy)=文字を読み書きする能力
      • Letter(文字)、Literature(文学)などと同語源 

芸術学特論1 第2回

講義

  • 文化:イメージ/モノ/コトバとコンテクスト
    • 純化して言うなら、文化とは「共有された意味shared meaning」に関わるものである。そもそも言語は、とりあえず「意味を生みだす/理解するmake sense」——すなわち意味が生成produceされ、交換される——ことにおいて特権化された媒体mediumである。
    • 私たちが同一の言語に等しく通じているときにのみ、意味は共有される。したがって、言語こそが意味と文化の中心を占めるものであり、文化的な価値や意味をつねに貯える重要な場所と見なされているのである。
    • 人文科学や社会科学——特にカルチュラル・スタディーズや文化の社会学——において、「文化論的転回cultural turn」と呼ばれるようになってきたものは、文化の定義において意味meaningの重要さを強調する。文化とは、モノthings——小説や絵画、テレビ番組やマンガなど——の集合体であるだけでなく、プロセス、すなわち実践practiceの集合体でもあると論じられる。第一義的に、文化とは、社会や集団の構成員間における意味の生成と交換——すなわち「意味の贈答」——に関するものである。二人の人が同じ文化に属するということは、二人が世界を大まかに同じように解釈していて、彼女/彼ら自身のことや、世界に対する考えや感情を、お互いが理解しあえるような仕方で、表現することができるということである。したがって文化とは、自らの周りに起こることを意味あるように解釈し、おおまかに似たかたちで世界を「理解する=意味を作る〔make sense〕」参加者に依存するものなのである。
    • 文化的な実践を強調することは、重要なことである。ある文化の参加者こそが、人やモノや出来事に意味を与えるのである。モノは「それ自身の中」に、単一の、固定した、不変の意味を具えることは、あったとしてもほとんどない。石のように明白に見えるものでも、それは石であったり、境界のしるしであったり、彫刻であったりするであろう。それは、それが何を意味するのか、すなわち、ある特定の使用のコンテクスト、哲学者がさまざまな「言語ゲーム」(つまり境界線の言語、彫刻の言語など)と呼ぶものに依る。私たちがものを使うこと、私たちがものについて語り、考え、感じること——私たちがものを表象すること——こそが、私たちがものに意味を与えるということなのである。部分的には、私たちはモノ、人、出来事に、私たち自身の解釈の枠組みによって、意味を与える。

英書講読 第2回

講義

写真論1 第1回

イントロダクション

  • 講義情報
    • 講義情報ウェブサイト(ブログ)について
    • 質問、コメント掲示板について

展覧会情報

講義

芸術学概論(1) 第1回

イントロダクション

芸術学特論 第1回

イントロダクション

講義:視覚文化論

英書講読 第1回

写真論1/2 講義概要

写真論1(1Q)/写真論2(2Q)

  • 木曜日 5講時

講義の目的

  • 1839年に発表された写真術という新たな技術は、人の視覚の様態を根底から覆した。映画、テレビ、コピー、さらにはデジタル・カメラやデジタル・ビデオにいたるまで、全て写真術を応用したものである。本講義では、写真の前史から成立の課程を追い、どのような社会的条件が写真の発明を要請したのか、そしてそれがどのように社会に影響を与えたのかを考えていきたい。さらにその歴史を踏まえた上で、写真の理論的な側面にも光を当てていく。写真独特の視覚とは何か、写真は芸術にどのような変化をもたらしたのか、写真は社会をどう変えたのか。そうしたさまざまな疑問を受講生とともに考えていきたい。

講義の進め方

  • 1Q:写真論1
  1. イントロダクション:写真と近代性
  2. 幾何学的遠近法とイリュージョン
  3. 遠近法描画装置とカメラ・オブスキュラ
  4. 写真の発明:ニエプスとダゲール
  5. トルボットと自然の鉛筆:複製技術としての写真
  6. 写真の記号論
  7. 痕跡とインデックス
  8. デスマスク、影絵、聖顔布: 痕跡の系譜
  • 2Q:写真論2
  1. イントロダクション:写真と複製技術
  2. トルボットと自然の鉛筆:複製技術としての写真
  3. 複製技術と視覚的イメージ
  4. 引用・流用・剽窃
  5. 複製技術時代の音楽:ダブ、リミックス、ヒップ・ホップ
  6. 遺影写真論
  7. ヴァナキュラー写真論
  8. 写真と日本:写真術のヴァナキュラー化

評価方法・基準

  • 授業参加度:40%、期末レポート:60%

芸術学概論(1) 講義概要

芸術学概論(1)

  • 月曜日5時限(オンデマンド配信)
    • このクラスは多人数なので、リモートで行います。
    • 毎週月曜日にe-classで映像の視聴方法をお知らせします。
    • 視聴後に、質問やコメントがあれば、e-classの掲示板に土曜日までに書き込んでください(任意です)。質問に答えたテクストを、その次の講義までにe-classにアップします。

講義の目的

  • イメージとヴィジュアル・リテラシー
    • 私たちは,日頃,雑誌やテレビ,インターネットなどで,さまざまな視覚的イメージに接触し,それらから情報を得ている。では,私たちはどのようにして,イメージから意味を読み取っているのだろう。 
    • 本講義では,視覚的イメージをコミュニケーションのためのメディアと考え,ヴィジュアル・リテラシー(視覚的な読み書き能力)について理解を深めることを目標とする。扱う対象は,絵画,映画,マンガとさまざまなメディアにわたるが,それらが意味をどのように作り上げているのか,どのように伝えているのか,そういったメカニズムについて理解を深めていきたい 
    • さらに,そのような理解の上で,近代における芸術という制度の成立や変容を幅広く見ていくことによって,芸術と歴史・社会との関わりを再考する。絵画やデザイン,さらには音楽におけるモダニズム近代主義)の確立と変容を通じて,私たちが今日受容している芸術というものがどのような歴史的,思想的プロセスを経て成立してきたのかを問いたい。

講義の進め方

  1. イントロダクション——「芸術」=“Art”?
  2. ヴィジュアル・リテラシーとは——「見る」ことと「分かる」こと
  3. コミュニケーション・メディアとしての視覚的イメージ——交通標識の単語/文法
  4. マンガのヴィジュアル・リテラシー1——イメージとテクスト
  5. マンガのヴィジュアル・リテラシー2——コマの統語法
  6. 物語映画の文法——ショットとモンタージュ
  7. 初期映画——驚きとアトラクション
  8. 遠近法と写真——世界の捉え方
  9. 絵を「読む」—— 絵画と意味
  10. 絵画の内容・絵画の形式——「何」を「どのよう」に描くのか
  11. 西洋絵画における近代性——「意味」からの脱却
  12. 絵画のモダニズム——「主体」と「表現」の神話
  13. 音楽における近代性——モダン・ジャズを中心に
  14. デザイン/ファッション/建築のモダニズム——機能と形態
  15. 振り返りとまとめ

評価方法/基準

  • 平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等):30%
  • レポート:70%
    • レポートの内容は,受講生が任意のイメージを選び,それを詳細に記述し,講義で扱う作品の構造を分析するというものになる予定。取り上げた対象をしっかりと自分の目で見て,それを論理的に説明できているかどうかが評価のポイントである。

芸術学特論(1) 講義概要

芸術学特論(1)

  • 金曜日2時限

講義の目的

  • イメージと文化
    • 本講義では,視覚文化論(ヴィジュアル・カルチャー・スタディーズ)という研究分野を概観する。「視覚文化」には,いわゆる美術のほか,写真,映画,テレビ,広告,マンガ,ファッション等,幅広い対象が含まれる。私たちはこうした視覚的イメージを,どのようにして見,どのようにして理解しているのだろうか。私たちを取り巻くこうした視覚文化の数々を読み解くための方法を,まずは現代におけるさまざまな文化理論を紹介した上で,広告などを例として考察する。さらに現代の視覚文化の基礎となる19世紀における視覚の変容を追っていく。

講義の進め方

  1. イントロダクション:視覚文化とはなにか
  2. 「文化」とは一体何なのか:文化概念の変容
  3. ストリート・カルチャーから「文化」を考える
  4. メディウムとメディア:文化と媒介
  5. 記号と表象:意味とコンテクスト
  6. 視覚的イメージのメディア的諸機能
  7. 広告の記号論:外示と共示
  8. 広告の視覚文化論:欲望を創造する装置
  9. CM映像のレトリック:切り返しと主観ショット
  10. 視線/まなざしと監視
  11. 19世紀の視覚文化:視覚遊具からパノラマへ
  12. 万国博覧会と近代的視覚
  13. 写真・観光・博覧会:世界を視るプロジェクト
  14. 鉄道の視覚文化:パノラマ的風景の誕生
  15. 振り返りとまとめ

評価方法/基準

  • 平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等):30%
  • レポート:70%
    • 任意の視覚的イメージを一点選び,それを丁寧に記述し,講義内容に基づいてそれを分析,解釈するタイプのレポートになる予定。取り上げた対象をしっかりと自分の目で見て,それを論理的に説明できているかどうかが評価のポイントである。

芸術学特論2 最終回

講義

  • 写真の想像力
    • アンリ・カルティエ=ブレッソンと「決定的瞬間」あるいは「すり抜けるイメージ」
    • 視覚的無意識と精神分析における無意識
    • 痕跡と想像力
      • 手に入ったほんのかけら(部分)から、見えない/捉えることのできない全体を想像する
      • かけら(部分)は、全体に対して換喩の関係にある
    • 徴候と推論
      • 視覚的無意識と精神分析における無意識
      • 痕跡の採集者としての探偵
        • シャーロック・ホームズの推理法
          • 「細部を見抜く桁外れの才能」を持つホームズ
          • ワトソンがホームズの推理に驚くのは、「僕の思考の流れを追い切れないか、大きな推論のもとになる小さな事実を観察し落としている」
      • セレンディピティ=ちょっとした徴候から推論して解答に至ること
        • 三人の王子が旅の途中でラクダを曵いた商人に出会ったとき、ラクダそのものを見ないで、その足跡や道端の草の食べられた跡などから、ラクダの身体的な特徴を的確に言い当てた(中東の民話「セレンディップの三人の王子」より)。
      • 推論的パラダイム
        • さまざまな近代科学(臨床医学など)に見られる知の枠組み
        • 「人は何千年もの間、狩人だった。そしていくたびも獲物を追跡するうちに、泥に刻まれた足跡や、折れた枝、糞の散らばりぐあい、一房の体毛、からまりあった羽毛、かすかに残る臭いなどから、獲物の姿や動きを推測することを学んだ。人は絹糸のように微細な痕跡を嗅ぎつけ、記録し、解釈し、分類することを覚えた。人は密林のしげみや、罠でいっぱいの林間の空き地で、こうした複雑な精神作業を一瞬のうちに行えるようになったのである(カルロ・ギンズブルグ「徴候--推論的範例の根源」『神話・寓意・徴候』)
      • 推論=アブダクション

期末レポート

  • レポート課題
    • 任意の写真を一点選び、その写真が「何を」「どのように」表しているかを記述した上で、講義で触れた写真の理論を踏まえて論述する。
      • 取り上げる写真は、いわゆる「芸術作品」に限らず、報道、広告、科学的なものなどでもよい
      • 取り上げた写真は、かならずレポート内にレイアウトして掲載すること(写真の添付がない場合は成績が下る)
  • 記入方法 PCで作成し、e-classにはPDF形式で提出
  • 用紙形式 A4判用紙
  • 枚数・字数(20字以内自由記述) 1200〜2000字
  • 書式 ヨコ書き
  • 提出先 e-classで提出すること
  • 提出期限 2022年2月4日

https://satow-morihiro.hatenablog.com/


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19年度前期芸術学A視覚文化論デザイン論特講1デザイン理論特講(大学院)/a> 講演、特別講義など

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