写真史
金曜日1講時@黎明館201
芸術学部専門講義科目
講義の目的
1839年に発表された〈写真術〉という新たな技術は、人の視覚の様態、さらには社会のあり方や、文化までもにさまざまな変革をもたらした。本講義では、19世紀から20世紀初頭にいたる写真の前史からその成立の過程を追い、どのような社会的条件が写真の発明を要請したのか、そしてそれがどのように社会に影響を与えたのかを考えていきたい。
講義の進め方
- イントロダクション:写真と近代性
- 遠近法とイリュージョン
- 遠近法と「窓」
- 描画装置とカメラ・オブスキュラ
- 写真の発明
- ダゲールとダゲレオタイプ
- トールボットとコロタイプ
- ガラス湿板の開発
- 日本の初期写真
- 写真の移植
- 「写真」という言葉
- 写真と洋画
- 写真と肖像
- 観相学と肖像
- カルト=ド=ヴィジットと社会
- 写真と内面
- 司法写真/人類学写真
- 写真と風景
- 建築と写真
- ピクチャレスク写真
- 旅行写真と横浜写真
- 写真と時間
- 瞬間を捉える
- 連続写真:時間の表象
- 芸術と写真
- 写真と絵画
- ピクトリアリズムとモダニズム
評価基準
出席30%、期末レポート70%
テキスト
ジル・モラ『写真のキーワード―技術・表現・歴史』
お薦め文献(写真史概説)
- 飯沢耕太郎編『カラー版 世界写真史』(情報館=740.2:Se 22)
- Ann Tucker, et al. eds, The History of Japanese Photography (Museum of Fine Arts, Houston)(佐藤研究室)
- クエンティン・バジャック『写真の歴史 (「知の再発見」双書)』(情報館=740.2:B14)
- ナオミ・ローゼンブラム『写真の歴史』(情報館=740.2:R 72)
- 『美術手帖』858号(特集:日本写真史がわかる!)美術出版社、2004年12月(情報館=B1雑誌バックナンバー)
*1:この講義は、大学コンソーシアム京都単位互換科目ですので、コンソーシアムに参加している大学/短期大学(http://www.consortium.or.jp/link/01.html)の学生であれば、単位互換制度(http://www.consortium.or.jp/student/tan-i/index.html)を利用して履修できます。ただし人数制限があるので、確認してください。