現代美術特講
木曜日1講時@情報館AVルーム
大学院専門科目(博士課程前期)
- 履修年次:芸術研究科博士前期課程1年次〜
講義の目的
現代において、美術の枠はとてつもなく広がっている。また、さまざまな思想や言説が飛び交い、制作する立場の人間も、また否応なしにそれに向かい合わないといけない状態になっている。では、このような状況はどのようにして現れたのか。現代社会において「美術/アート」の立つ位置はどこにあるのだろうか。現代の美術に至る諸潮流を検証し、それにまつわる言説を紹介することによって、現代美術そして現代の視覚文化を受講生とともに考えてみたい。
講義の進め方
- イントロダクション:「近代」と「美術/アート」
- モダンとモダニティ
- 「近代」とはなにか?
- 「美的モダン」の成立
- 美術批評と美術史――「美術」という制度
- 近代日本における「美術」
- モダニズムと自己参照性
- ポストモダン:「美術」と「アート」
- 複製技術と近代
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- 以上に列記したのは、採り上げる可能性のある話題であって、そのうち何を扱うかは、講義を進めていきながら調整する。まずは、現代アートを考える上で重要な、クレメント・グリーンバーグ「モダニズムの絵画」/マイケル・フリード「芸術と客体性」/ロザリンド・クラウス「彫刻とポストモダン――展開された場における彫刻」の3論文を軸に据えて、考えていきたいと思う。
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評価基準
出席30%、期末レポート70%
参考文献
- 浅田彰、岡崎乾二郎、松浦寿夫編『批評空間 (第2期臨時増刊号) モダニズムのハード・コア―現代美術批評の地平』(情報館=704:Mo13)
- ジョン・A・ウォーカー、サラ・チャップリン『ヴィジュアル・カルチャー入門―美術史を超えるための方法論』(情報館=701:W36)
- クレメント・グリーンバーグ『グリーンバーグ批評選集』(情報館=704:G82)
- 西村清和『現代アートの哲学 (哲学教科書シリーズ)』(情報館=701:N84)
- ハル・フォスター編『 反美学―ポストモダンの諸相』(情報館=701.04:F41)
- 松井みどり『アート:“芸術”が終わった後の“アート” (カルチャー・スタディーズ)』(情報館=702.06:Ma77)