集中講義二日目

聴覚文化コーナー:モダン・ジャズはどのように「モダン」なのか

流用とブリコラージュ

  • 複製技術と「流用」
    • 美術作品と複製
    • 流用(アプロプリエーション)
      • 美術作品や広告、写真など、特定の文脈で使われていた既製のイメージを採り上げ、それを別の文脈に置き直すことによって、新たな作品を作り出すこと
      • レディ=メイドと芸術
    • 音楽と流用

痕跡と採集

  • 路上と写真と蒐集
    • アンリ・カルティエ=ブレッソンの決定的瞬間
    • 写真における「瞬間」という概念とブレ=ボケ
      • E・マイブリッジの連続写真
    • 「視覚的無意識」
      • 「カメラに語りかける自然は、肉眼に語りかける自然とは当然異なる。異なるのはとりわけ次の点においてである。人間によって意識を織りこまれた空間の代わりに、無意識が織りこまれた空間が立ち現れるのである。たとえば人の歩き方について、大ざっぱにではあれ説明することは、一応誰にでもできる。しかし〈足を踏み出す〉ときの何分の一秒かにおける姿勢となると、誰もまったく知らないにちがいない。写真はスローモーションや拡大といった補助手段を使って、それを解明してくれる。こうした写真における無意識なものは、写真によってはじめて知られる。それは衝動における無意識的なものが、精神分析によってはじめて知られるのと同様である」(W・ベンヤミン「写真小史」、1931、『図説 写真小史 (ちくま学芸文庫)』)
  • 路上と写真と蒐集
    • 視覚的無意識と精神分析における無意識
    • 痕跡の採集者としての探偵
    • セレンディピティ=ちょっとした徴候から推論して解答に至ること
      • 三人の王子が旅の途中でラクダを曵いた商人に出会ったとき、ラクダそのものを見ないで、その足跡や道端の草の食べられた跡などから、ラクダの身体的な特徴を的確に言い当てた(中東の民話「セレンディップの三人の王子」より)。
    • 写真家と狩人
    • 推論的パラダイム
      • さまざまな近代科学(臨床医学など)に見られる知の枠組み
      • 「人は何千年もの間、狩人だった。そしていくたびも獲物を追跡するうちに、泥に刻まれた足跡や、折れた枝、糞の散らばりぐあい、一房の体毛、からまりあった羽毛、かすかに残る臭いなどから、獲物の姿や動きを推測することを学んだ。人は絹糸のように微細な痕跡を嗅ぎつけ、記録し、解釈し、分類することを覚えた。人は密林のしげみや、罠でいっぱいの林間の空き地で、こうした複雑な精神作業を一瞬のうちに行えるようになったのである(カルロ・ギンズブルグ「徴候--推論的範例の根源」『神話・寓意・徴候』)
    • 推論=アブダクション
      • 「化石が発見される。それは例えば魚の化石のようなもので、しかも陸地のずっと内側で見つかったとしよう。この現象を説明するために、われわれはこの一帯の陸地はかつては海であったにちがいないと考える。これも一つの仮説である(C・S・パース)」
  • 考現学と痕跡の採集
  • 桑原甲子雄と路上の採集者:1930年代の東京

https://satow-morihiro.hatenablog.com/


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19年度前期芸術学A視覚文化論デザイン論特講1デザイン理論特講(大学院)/a> 講演、特別講義など

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