2010-10-14 第4回 10写真論 講義 事物の痕跡としての写真 アイコン的記号/インデックス的記号/シンボル的記号(C・S・パースによる記号の三分類) インデックス的記号=対象物との物理的因果関係に基づく記号 メタファー(隠喩)とメトニミー(換喩) 瀬戸賢一『メタファー思考 (講談社現代新書)』 呪術の二類型 類感呪術=「似たものは似たものを生み出す」 「類似の法則」=アイコン的、メタファー的な関係 感染呪術=「かつてお互いに接触していたものは、その後、物理的な接触を持たなくなったのちも、引き続きある距離を置きながら互いに作用しあう」 「接触の法則」=インデックス的、メトニミー的な関係 サー・ジョージ・ジェームズ・フレーザー『図説 金枝篇』 痕跡の系譜 絵画の起源神話 「コリントスの都市シキュオンにおいて陶器を作っていたブタデスという人物がいた。その娘は、ある青年に恋をしていた。その青年が外国へ行こうとしていたとき、彼女はランプによって投げられた彼の顔の輪郭を壁の上に描いた。この素描を基にして、父ブタデスは、塑像を作った」(大プリニウス『博物誌』)。 痕跡と影絵(シルエット) 「私が観相学上の知識を多く得たのは、他の如何なる肖像画よりも、純然たる影絵の方からである。観相学は影絵以上に客観的真実性を裏づける確かな証拠を持たない。なぜなら、影絵は、自然から直接に型取りしたものであるから」(J・C・ラーファター『観相学断片』)。 幕末の影絵:谷文晁と落合芳幾 裏切る影絵:高松次郎「影のドローイング」 聖顔布とアケイロポイエートス(人の手に依らないイメージ) 聖ヴェロニカの伝説/マンディリオンの伝説 神聖なる肖像 宮武外骨の「無機械写真法」 イヴ・クラインの《人体測定》 デスマスク エルンスト・ベンカアト『永遠の貌』 超芸術トマソンと建物のデスマスク 赤瀬川原平『超芸術トマソン (ちくま文庫)』 フロッタージュ マックス・エルンスト=http://www.guggenheim.org/new-york/collections/collection-online/show-full/piece/?search=The%20Forest&page=&f=Title&object=76.2553.72 岡部昌生『岡部昌生 わたしたちの過去に、未来はあるのか』 真壁智治『アーバン・フロッタージュ (住まい学大系)』 わたしたちの過去に未来はあるのか?Tokyo Art Beat - ニュース、レビュー、インタビュー 洞窟絵画とネガティヴ・ハンド 港千尋『洞窟へ―心とイメージのアルケオロジー』 奉納物(エクス・ヴォート)と身体の痕跡 水野千依「ルネサンスの奉納像――〈痕跡〉と〈分配されたパーソン〉」『美術フォーラム21』20号(特集:物質性/マテリアリティの可能性) 痕跡としての古着:オノデラユキ「古着のポートレート」シリーズ