二日目

告知

  • 明日(21日)の見学会
    • 13:30、新発田駅改札集合
      • 14:00、吉原写真館へ


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講義

  • 昨日の復習
    • Stuart Hall, ed., Representation: Cultural Representations and Signifying Practices (Culture, Media and Identities series). スチュアート・ホール編『リプレゼンテーション――文化的表象と意味作用の実践』
      • 文化とは「共有された意味shared meaning」に関わるものである。そもそも言語は、とりあえず「意味を生みだす/理解するmake sense」――すなわち意味が生成produceされ、交換される――ことにおいて特権化された媒体mediumである。
      • 人文科学や社会科学――特にカルチュラル・スタディーズや文化の社会学――において、「文化論的転回cultural turn」と呼ばれるようになってきたものは、文化の定義において意味meaningの重要さを強調する。文化とは、モノthings――小説や絵画、テレビ番組やマンガなど――の集合体であるだけでなく、プロセス、すなわち実践practiceの集合体でもあると論じられる。第一義的に、文化とは、社会や集団の構成員間における意味の生成と交換――すなわち「意味の贈答」――に関するものである。二人の人が同じ文化に属するということは、二人が世界を大まかに同じように解釈していて、彼女/彼ら自身のことや、世界に対する考えや感情を、お互いが理解しあえるような仕方で、表現することができるということである。したがって文化とは、自らの周りに起こることを意味あるように解釈し、大まかに似た形で世界を「理解する=意味を作る〔make sense〕」参加者に依存するものなのである。
      • ある文化の参加者こそが、人やモノや出来事に意味を与えるのである。モノは「それ自身の中」に、単一の、固定した、不変の意味を具えることは、あったとしてもほとんどない。石のように明白に見えるものでも、それは石であったり、境界のしるしであったり、彫刻であったりするであろう。それは、それが何を意味するのか、すなわち、ある特定の使用のコンテクスト、哲学者がさまざまな「言語ゲーム」(つまり境界線の言語、彫刻の言語など)と呼ぶものに依る。私たちがものを使うこと、私たちがものについて語り、考え、感じること――私たちがものを表象すること――こそが、私たちがものに意味を与えるということなのである。
  • 写真と痕跡
    • 「写真術」とは?
      • Photography=光による記述
      • héliographie=太陽による記述
      • Pencil of Nature=『自然の鉛筆』
      • "Secure the shadow, 'ere the substance fade, /Let Nature imitate what Nature made."=「影を遺そう、その身が消え失せる前に/自然の創りだしたものを、自然自身に模倣させよう」(ダゲレオタイプ広告のための二行詩)
    • ダイレクト・プロセス
    • アイコン的記号/インデックス的記号/シンボル的記号(C・S・パースによる記号の三分類)
      • インデックス的記号=対象物との物理的因果関係に基づく記号
        • 「写真、特にスナップ写真は非常に有益である。というのは、それらが表意している対象にある点でまったくよく似ているということをわれわれが知っているからである。しかしこの類似性というのは、写真が一点一点物理的に自然と対応するよう強いられるという状況のもとで作られたという事実によるものである。そういう点で、それらは記号の第二のクラスつまり物理的結合による記号のクラスに属する」(『パース著作集2 記号学』)
    • ロザリンド・クラウス――指標論
      • あらゆる写真は、光のもろもろの反映を感光紙の表面上に転写した物理的痕跡なのである。写真はそれ故、イコン〔アイコン〕つまり視覚的類似の一種であるが、対象に対し指標〔インデックス〕的関係を持っているのである。真のイコン〔アイコン〕との隔たりを写真が感じさせるのは、この完全に物理的な生成によってである。つまり、大抵の絵画の描写的再現=表象の中で作用している組織的配列とか象徴的な意味の介在といったプロセスの入り込む余地を与えない、もしくはそうしたプロセスを短絡させるように見える、全くの物理的生成によってである。《象徴的なもの》が、対象と意味とを結びつけつつ再現=表象の諸形式の背後で働いている人間の意識によって、絵画芸術に通じているのだとすれば、写真はそうではない。写真の力は指標としての力であり、その意味は、既述のような《想像的なもの》と結びついた同一視の様態にあるのである。(ロザリンド・クラウスオリジナリティと反復―ロザリンド・クラウス美術評論集』)
    • 写真と複数性
      • 複製技術=再生産(reproduction)と複数生産(multiple)
      • ネガ=ポジ法とは:版画・印刷・印画(プリント・カルチャー)
      • 湿式コロディオン法(ガラス・ネガ)と鶏卵紙(アルビュメン・プリント)

https://satow-morihiro.hatenablog.com/


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19年度前期芸術学A視覚文化論デザイン論特講1デザイン理論特講(大学院)/a> 講演、特別講義など

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