九州大学集中講義 最終日

レポート課題

  • 任意のモノあるいはイメージを一点採り上げ、それを精緻に記述した上で、本講義で取り上げた視覚文化/物質文化の理論を踏まえて分析、解釈する。
    • 字数:2000〜4000字
    • 形式:A4用紙縦使い、横書き、ワープロ推奨、ホッチキスは左上とめ
    • 取り上げたモノやイメージの図版を、必ずコピー(白黒でも可)、あるいは印刷してレポートに添付すること。
    • 提出期限:10月23日(金)
    • 提出場所:教務課第一学生係
  • レポートの形式
  • 学術論文の書き方(佐藤守弘)
    • 基本的には学術論文用だけれど、人名表記、カッコの使い方、書誌情報の書き方などはレポート作りにも使えます。
  • 作品を記述することとは?
    • 作品の内容と形式=「何」を「どのよう」に表しているか
      • 内容=描写対象、被写体、物語、思想、機能など
      • 形式=形態、色、構図、構成、メディア、使う道具など
      • マット・マドン『コミック 文体練習
  • 自分/他人の作品を紹介する
    • 「作品」とその外部
      • 額縁、タイトル、キャプション、解説文、展覧会場、ギャラリー・トーク、カタログ
    • 作品とキャプション
    • 比喩としての作品タイトル
      1. 記述(換喩/提喩)タイプ
      2. メタファー(隠喩)タイプ
      3. 「無題」タイプ
    • メディアを記述する
      • 絵画=支持体+絵具 
        • 例:紙に水彩(水彩・紙)、絹本著色
      • 版画=版の技法
      • 印刷=刷りの技法
      • 写真=プリント技法
        • 例:ゼラティン・シルヴァー・プリント、ラムダ・プリント
      • 映像=記録メディア
        • 例:16mmフィルム、ヴィデオ
      • 立体/彫刻=素材(時に技法)
        • 例:ブロンズ、寄木造
      • 陶芸・漆芸=技法+器形(これがタイトルになることも)
        • 例:青磁平皿、蒔絵手箱
      • テキスタイル=技法+素材
        • 例:型染・綿・反応性染料、綴織・綿糸・ウール紙
      • その他
    • サイズを記述する
      • 縦x横(あるいは径)x高
  • おまけ:プレゼンテーションの仕方

トポグラフィの日本近代

  • 序章:トポグラフィと視覚文化
    • 文化的実践としての風景
      • 心象地理=なじみ深い「自分たち」の空間と、その自分たちの空間の彼方にひろがるなじみのない「彼ら」の空間とを心のなかで名付け区別する実践(サイードオリエンタリズム』)
      • 風景=ヨーロッパ近代において成立し、その覇権の伸張とともに世界中に広がったもので、幾何学的遠近法をベースとして、自己(主体)と環境(客体/他者)を視覚的に媒介する表象=意味付けのシステム
      • 名所から風景へ
        • 「風景の発見」(柄谷行人日本近代文学の起源 (講談社文芸文庫)』)
          • 名所絵の見たもの=「実朝も芭蕉もけっして『風景』をみたのではない。彼らにとって、風景は言葉であり、過去の文学にほかならなかった」
          • 「風景がいったん成立すると、その起源は忘れさられる・・・それは、はじめから外的に存在する客観物のようにみえる。ところが、客観物なるものは、むしろ風景のなかで成立したのである。主観あるいは自己もまた同様である。主観(主体)・客観(客体)という認識論的な場は、「風景」において成立したのである。つまりはじめからあるのではなく、「風景」のなかで派生してきたのだ」
    • 遠近法と地図:都市表象のヴァリエーション
      • [視点+]写真→遠近法絵画→鳥瞰図→俯瞰図→絵図→地図[視点+]

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19年度前期芸術学A視覚文化論デザイン論特講1デザイン理論特講(大学院)/a> 講演、特別講義など

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