レポート課題
- 任意のモノあるいはイメージを一点採り上げ、それを精緻に記述した上で、本講義で取り上げた視覚文化/物質文化の理論を踏まえて分析、解釈する。
- 字数:2000〜4000字
- 形式:A4用紙縦使い、横書き、ワープロ推奨、ホッチキスは左上とめ
- 取り上げたモノやイメージの図版を、必ずコピー(白黒でも可)、あるいは印刷してレポートに添付すること。
- 提出期限:10月23日(金)
- 提出場所:教務課第一学生係
- レポートの形式
- 使用文字は基本的には明朝体
- 明朝体 - Wikipedia
- 長い文章でゴシック(サン=セリフ)体は読みにくい。丸ゴシック体などは論外!
- 字間、行間は適度に取ること
- 論のまとまりに応じて改行して段落分けすること
- たまに改行が一切ないレポートや、一文ずつ改行されているレポートがありますが、読む気をなくします。
- 引用のルール
- ホッチキスは横書きの場合左上でひとつだけとめること(縦書の場合は右上)
- 使用文字は基本的には明朝体
- 学術論文の書き方(佐藤守弘)
- 基本的には学術論文用だけれど、人名表記、カッコの使い方、書誌情報の書き方などはレポート作りにも使えます。
- 作品を記述することとは?
- 作品の内容と形式=「何」を「どのよう」に表しているか
- 内容=描写対象、被写体、物語、思想、機能など
- 形式=形態、色、構図、構成、メディア、使う道具など
- マット・マドン『コミック 文体練習』
- 作品の内容と形式=「何」を「どのよう」に表しているか
- 自分/他人の作品を紹介する
- 「作品」とその外部
- 額縁、タイトル、キャプション、解説文、展覧会場、ギャラリー・トーク、カタログ
- 作品とキャプション
- 作品に関する基本的な情報を、簡潔に見る者に伝える。
- 作者名《作品の題名》制作年、メディア、サイズ、現存地、所蔵者
- 例:ディエゴ・ベラスケス《ラス・メニーナス》1656年、カンヴァスに油彩、318x276cm、マドリッド、プラド美術館蔵
- 作者名《作品の題名》制作年、メディア、サイズ、現存地、所蔵者
- 作品に関する基本的な情報を、簡潔に見る者に伝える。
- 比喩としての作品タイトル
- 記述(換喩/提喩)タイプ
- メタファー(隠喩)タイプ
- 「無題」タイプ
- メディアを記述する
- サイズを記述する
- 縦x横(あるいは径)x高
- 「作品」とその外部
- おまけ:プレゼンテーションの仕方
- プレゼン・スライドに使うフォントはゴシック(サン=セリフ)体を推奨(明朝などは肥痩があるため、プロジェクタの質によっては細い部分が消えて読みにくくなる可能性が)
- 【プレゼン】見やすいプレゼン資料の作り方【初心者用】
- 高橋メソッド
- 本も出てます→高橋征義『でかいプレゼン 高橋メソッドの本』
トポグラフィの日本近代
- 序章:トポグラフィと視覚文化
- 文化的実践としての風景
- 心象地理=なじみ深い「自分たち」の空間と、その自分たちの空間の彼方にひろがるなじみのない「彼ら」の空間とを心のなかで名付け区別する実践(サイード『オリエンタリズム』)
- 風景=ヨーロッパ近代において成立し、その覇権の伸張とともに世界中に広がったもので、幾何学的遠近法をベースとして、自己(主体)と環境(客体/他者)を視覚的に媒介する表象=意味付けのシステム
- 名所から風景へ
- 「風景の発見」(柄谷行人『日本近代文学の起源 (講談社文芸文庫)』)
- 名所絵の見たもの=「実朝も芭蕉もけっして『風景』をみたのではない。彼らにとって、風景は言葉であり、過去の文学にほかならなかった」
- 「風景がいったん成立すると、その起源は忘れさられる・・・それは、はじめから外的に存在する客観物のようにみえる。ところが、客観物なるものは、むしろ風景のなかで成立したのである。主観あるいは自己もまた同様である。主観(主体)・客観(客体)という認識論的な場は、「風景」において成立したのである。つまりはじめからあるのではなく、「風景」のなかで派生してきたのだ」
- 「風景の発見」(柄谷行人『日本近代文学の起源 (講談社文芸文庫)』)
- 遠近法と地図:都市表象のヴァリエーション
- [視点+]写真→遠近法絵画→鳥瞰図→俯瞰図→絵図→地図[視点+]
- 2章:観光・写真・ピクチャレスク
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- グランド・トゥアーからピクチャレスク美学へ
- トマス・クックとマス観光の発明(1841)
- イギリス国内→ヨーロッパ→オリエント→世界一周
- ジョン・アーリ『観光のまなざし―現代社会におけるレジャーと旅行 (りぶらりあ選書)』
- ヴォルフガング・シヴェルブシュ『鉄道旅行の歴史―19世紀における空間と時間の工業化』
- イギリス国内→ヨーロッパ→オリエント→世界一周
- 旅行写真
- オリエンタリズムと視覚的イメージ
- 非西洋へのまなざし:非対称の視線
- ジェンダーとまなざし
- オリエンタリズム=ヨーロッパのオリエントに対する支配的言説の様式
- オリエントは…ヨーロッパ人の心のもっとも奥深いところから繰り返したち現れる他者イメージでもあった。そのうえオリエントは、ヨーロッパ(つまり西洋)がみずからを、オリエントと対照をなすイメージ、観念、人格、経験を有するものとして規定するうえで役だった(E・サイード『オリエンタリズム 上 (平凡社ライブラリー)』)。
- 非西洋へのまなざし:非対称の視線
- YMOとオリエンタリズムの流用
- Yellow Magic Orchestra「東風」(『Yellow Magic Orchestra』所収):YMO 東風(TONG POO)
- YMOメンバー
- 細野晴臣:戦術としてのセルフ=オリエンタリズム
- TIN PAN ALLEY Peking Duck - YouTube/むぎ茶の昭和懐メロ&CMソング大特集: ティンパン・アレイ (TIN PAN ALLEY) 北京DUCK
- マーティン・デニーの「ファイアー・クラッカー」をシンセサイザーを使用したエレクトリック・チャンキー・ディスコとしてアレンジし、シングルを世界で400万枚売る(細野晴臣)→YMO
- MARTIN DENNY - FIRECRACKER - ニコニコ動画
- YouTube
- I Feel Love - Donna Summer - YouTube
- YMO-FIRECRACKER('79LIVE) - YouTube
- おまけ:セニョール・ココナット
- テクノ・ポップ
- 彩色写真のヴァナキュラー性
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- 3章:伝統の地政学
- なのにあなたは京都へゆくの――「古都」のサブカルチャー
- そうだ 京都、行こう
- 70年代の京都イメージ
- 傷心女性のひとり旅
- 「ディスカバージャパン」からアンノン族へ
- 京都:学生とアングラ
- 表象文化論学会ニューズレター〈REPRE〉:小特集「メタモルフォーゼ」:1.対談 松尾恵×佐藤守弘:1
- 木野通信 | 広報・刊行物 | 京都精華大学
- 最近の京都唄
- フィクションにおける京都の「学生さん」
- 過去に定位される都市
- 雑誌『太陽』の創刊:1895年1月
- 『太陽』と写真
- ジョン・アーリ『観光のまなざし―現代社会におけるレジャーと旅行 (りぶらりあ選書)』
- 1895年:「三大事件」
- 京都と「国風文化」
- 岩倉具視と「二つの首都」構想(1883年):東京と西京
- 東京=普遍性・未来・男性性
- 京都=独自性・過去・女性性
- 平安奠都千百年紀念祭と「模造大極殿」
- 京都の京都化
- なのにあなたは京都へゆくの――「古都」のサブカルチャー