芸術学特論2 最終回

講義

  • 写真の想像力
    • アンリ・カルティエ=ブレッソンと「決定的瞬間」あるいは「すり抜けるイメージ」
    • 視覚的無意識と精神分析における無意識
    • 痕跡と想像力
      • 手に入ったほんのかけら(部分)から、見えない/捉えることのできない全体を想像する
      • かけら(部分)は、全体に対して換喩の関係にある
    • 徴候と推論
      • 視覚的無意識と精神分析における無意識
      • 痕跡の採集者としての探偵
        • シャーロック・ホームズの推理法
          • 「細部を見抜く桁外れの才能」を持つホームズ
          • ワトソンがホームズの推理に驚くのは、「僕の思考の流れを追い切れないか、大きな推論のもとになる小さな事実を観察し落としている」
      • セレンディピティ=ちょっとした徴候から推論して解答に至ること
        • 三人の王子が旅の途中でラクダを曵いた商人に出会ったとき、ラクダそのものを見ないで、その足跡や道端の草の食べられた跡などから、ラクダの身体的な特徴を的確に言い当てた(中東の民話「セレンディップの三人の王子」より)。
      • 推論的パラダイム
        • さまざまな近代科学(臨床医学など)に見られる知の枠組み
        • 「人は何千年もの間、狩人だった。そしていくたびも獲物を追跡するうちに、泥に刻まれた足跡や、折れた枝、糞の散らばりぐあい、一房の体毛、からまりあった羽毛、かすかに残る臭いなどから、獲物の姿や動きを推測することを学んだ。人は絹糸のように微細な痕跡を嗅ぎつけ、記録し、解釈し、分類することを覚えた。人は密林のしげみや、罠でいっぱいの林間の空き地で、こうした複雑な精神作業を一瞬のうちに行えるようになったのである(カルロ・ギンズブルグ「徴候--推論的範例の根源」『神話・寓意・徴候』)
      • 推論=アブダクション

期末レポート

  • レポート課題
    • 任意の写真を一点選び、その写真が「何を」「どのように」表しているかを記述した上で、講義で触れた写真の理論を踏まえて論述する。
      • 取り上げる写真は、いわゆる「芸術作品」に限らず、報道、広告、科学的なものなどでもよい
      • 取り上げた写真は、かならずレポート内にレイアウトして掲載すること(写真の添付がない場合は成績が下る)
  • 記入方法 PCで作成し、e-classにはPDF形式で提出
  • 用紙形式 A4判用紙
  • 枚数・字数(20字以内自由記述) 1200〜2000字
  • 書式 ヨコ書き
  • 提出先 e-classで提出すること
  • 提出期限 2022年2月4日

https://satow-morihiro.hatenablog.com/


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19年度前期芸術学A視覚文化論デザイン論特講1デザイン理論特講(大学院)/a> 講演、特別講義など

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