講義
- 路上と痕跡:考古学的想像力
- 視覚的無意識と精神分析における無意識
- 徴候と推論
- 視覚的無意識と精神分析における無意識
- 痕跡の採集者としての探偵
- シャーロック・ホームズの推理法
- 「細部を見抜く桁外れの才能」を持つホームズ
- ワトソンがホームズの推理に驚くのは、「僕の思考の流れを追い切れないか、大きな推論のもとになる小さな事実を観察し落としている」
- セレンディピティ=ちょっとした徴候から推論して解答に至ること
- 三人の王子が旅の途中でラクダを曵いた商人に出会ったとき、ラクダそのものを見ないで、その足跡や道端の草の食べられた跡などから、ラクダの身体的な特徴を的確に言い当てた(中東の民話「セレンディップの三人の王子」より)。
- 推論的パラダイム
- さまざまな近代科学(臨床医学など)に見られる知の枠組み
- 「人は何千年もの間、狩人だった。そしていくたびも獲物を追跡するうちに、泥に刻まれた足跡や、折れた枝、糞の散らばりぐあい、一房の体毛、からまりあった羽毛、かすかに残る臭いなどから、獲物の姿や動きを推測することを学んだ。人は絹糸のように微細な痕跡を嗅ぎつけ、記録し、解釈し、分類することを覚えた。人は密林のしげみや、罠でいっぱいの林間の空き地で、こうした複雑な精神作業を一瞬のうちに行えるようになったのである(カルロ・ギンズブルグ「徴候--推論的範例の根源」『神話・寓意・徴候』)
- 推論=アブダクション
- 「化石が発見される。それは例えば魚の化石のようなもので、しかも陸地のずっと内側で見つかったとしよう。この現象を説明するために、われわれはこの一帯の陸地はかつては海であったにちがいないと考える。これも一つの仮説である(C・S・パース)」
- シュルレアリスムとオブジェ・トゥルヴェ
レポート課題
- 興味のあるポピュラー文化に関わるイメージやモノを一点選び、それを精密に記述した上で、本講義で扱ったさまざまな文化論を参考に論述する。
- 引用元、情報の出典、参考文献(書籍、ウェブなど)は、文末にリストの形で必ず明記すること(下記の字数には含めない)
- 書式:A4用紙横書き、明朝体 PDF形式で提出すること
- 字数:1200〜2000字
- 取り上げたイメージやモノの図版を、必ずレポート内にレイアウトすること。
- 提出締切:2月4日(土)深夜:クラスプロファイルに提出窓口を作ります