予定
- 先週の質問への回答、タトゥーなどに関連する文献紹介(第1週 - IN THE STUDIO:佐藤守弘の講義情報)、展覧会紹介(ギャラリー巡り - 蒼猴軒日録)など
- リテラシーとコミュニケーション
マンガのリテラシー(1)マンガのレヴェル構成:作品全体→見開きページ→コマ 【3】
参考文献
- 『ヴィジュアル・カルチャー入門―美術史を超えるための方法論』pp. 24-25, p. 119
- ロマーン・ヤーコブソン「言語学と詩学」『一般言語学』(佐藤研究室), p. 188
- 夏目房之介『マンガはなぜ面白いのか―その表現と文法 (NHKライブラリー (66))』(情報館=726.1:N58)*2
講義後の補足
- 重要な連絡事項です。途轍もない登録人数だという風に聞きました。ちょっと採点しきれないくらいの。という訳で、少しだけハードルを上げます。先週は、「出席は参考程度」と言っておりましたが、出席も考慮に入れることにします。ただ、シラバスに既に「出席30%、レポート70%」と書いていますので、出席せずにレポートのみで点を取ることは理論的には可能です。でも、100点近く取らないとムリなので、出席しておくことは薦めます。目安としては、三分の二以上と言いたいところですが、少なくとも半分(7〜8回)の出席は必要、ということにしておきましょう。
- 講義ですが、上記の予定の最後まで行きませんでした。多分、前フリが長かったからです。とはいっても前フリでも重要なことを言っているつもりではありますが。次週は、コミュニケーション図式の復習をしたうえで、マンガの話に入ります。
- 今日持っていった資料で、上や先週のエントリで挙げていないものは以下の通りです。
- Christine M. E. Guth, Longfellow's Tattoos: Tourism, Collecting, And Japan
- 『歌川国芳』展覧会図録、千葉市美術館ほか、1996-97年
- 今日紹介した河合晋平さんの展覧会と、エルンスト展については、ギャラリー巡り - 蒼猴軒日録を参照してください。
質問、コメントなど
- ルネサンス絵画における寓意やシンボルのこと、写真のことは触れないのですかという質問がありました。両方、軽くは触れます。ただし、より深く知りたい人は、「西洋美術史」、あるいは僕自身の「写真史」「写真論」を取ってください。
- ピクトグラムに関する質問が多かったので、また来週、前フリで触れます。→-[ airport ]
- 赤ん坊の視覚についても、もう少し触れます(現在、現物を観察中なので)。
- 「衣服は一種の記号である」(詳しくは後期でやります)と言ったことに関して、『NANA』の登場人物は、見た目は「パンク」だけど、内実は違うんじゃないかという指摘がありました。勿論、言いたいことはよ〜く分かります。が、この「芸術学」の文脈では、『NANA』がパンクかどうかという視点だけではなく、では何故そのマンガ/映画においては、いわば記号としての「パンク」が必要とされたのか(あるいはなぜ「記号」で充分だったのか)を考える視点をも身に付けて貰いたいと思います。
- ちらっと「小林製薬のCM」の話をしたら、反応があったので、後に「広告」について扱うときに採り上げようかと思います。
- 一番、反応が多かったのが、「見える」ことと「分かる」ことの話です。これは友人の研究者から教えて貰った話で、元はオリヴァー・サックスの「『見えて』いても『見えない』」(『火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者 (ハヤカワ文庫NF)』)です(読んでいる人もいたようですね)。次週、もう少し詳しく紹介します。また京極夏彦の『姑獲鳥の夏 (講談社ノベルス)』を思い出したという人もいました。あれはまさにそれに関係するトリックです。ネタばれになるので、あまり詳しくは言いませんが、大ざっぱに言うと、あのトリックは、推理小説初期の、たとえばエドガー・アラン・ポーの辺りからあるトリックのヴァリエーションと考えられます。
- 先週、今週と「どんなマンガが好きですか」という質問が相次いでいるので、それも次週の前説で。