告知
- ずっとこのクラスで読んでいるArt Since 1900: Modernism, Antimodernism, Postmodernismが、情報館に入ったそうです。まだOPACではひっかかりませんが、ある筈ですので、興味のあるところを拾い読みするなど、利用して下さい。
予定
- 先週の講演会の紹介=今和次郎と丹下健三 - 蒼猴軒日録
- 風景論
- 広い意味での風景=トポグラフィと狭い意味での風景
- 狭い意味での風景とは、ヨーロッパ近代において成立し、その覇権の伸張とともに世界中に広がったもので、幾何学的遠近法をベースとして、自己(主体)と環境(客体/他者)を視覚的に媒介する表象=意味付けのシステム。
- 遠近法とその主体
- 心象地理(Imaginative Geography)(サイード『オリエンタリズム 上 (平凡社ライブラリー)』)=権力装置としての「風景」
- 名所から風景へ
- 「風景の発見」(柄谷行人『日本近代文学の起源 (講談社文芸文庫)』)
- 名所絵の見たもの=「実朝も芭蕉もけっして『風景』をみたのではない。彼らにとって、風景は言葉であり、過去の文学にほかならなかった」
- 「風景がいったん成立すると、その起源は忘れさられる・・・それは、はじめから外的に存在する客観物のようにみえる。ところが、客観物なるものは、むしろ風景のなかで成立したのである。主観あるいは自己もまた同様である。主観(主体)・客観(客体)という認識論的な場は、「風景」において成立したのである。つまりはじめからあるのではなく、「風景」のなかで派生してきたのだ」
- 「文化的な媒体としての風景は、イデオロギーにも似た二重の役割を果たす。〔両者とも〕文化的、社会的に構築されたものを自然化する〔あたかも自然にできたもののように見せかける〕」(W・J・T・ミッチェル→Topography - 蒼猴軒日録)
- 「風景の発見」(柄谷行人『日本近代文学の起源 (講談社文芸文庫)』)
- ピクチャレスク美学と「風景」の誕生
- グランド・トゥアーと風景の発見(byイギリス人)
- ピクチャレスクという美的(感性論的)カテゴリー:「美」と「崇高」のあいだに
- ピクチャレスク・トゥアーと風景式庭園
- 広い意味での風景=トポグラフィと狭い意味での風景