朝のミーティング
- ヴァナキュラー建築としてのタイルとホコラ
- すがやみつる『仮面ライダー青春譜 | ポット出版』
- 環世界と人間
- 重くうねる低音が伝える「沖縄の苦しみと喜び」。沖縄ベースミュージック界の顔役、DJ NU-DOHが語る | CINRA
映像4, 広告のレトリック
- 広告という文化
- 「欲求need」と「欲望desire」のちがい
- 「欲求は満足することができる。でも欲望は、決して満足しない。そして人間の活動は、そのほとんどがこうした「満たされない欲望」のうえに成立している。僕たちは自分の抱えた欲望を、そのつどちょっとずつ満たしてやることで、最終解決は先送りしながら生きている。〔…〕実はこういう欲望のメカニズムは、「資本主義」システムのそれとよく似ている。いろんな問題解決を常に先送りしながら成立しているこのシステムは、その究極的な解消がありえないことが、システム成立のための重要なよりどころになっている」
- 「いわゆる資本主義とは、交換過程の偶発的性格(交換の可能性がその場その場の個人的な欲求に依存すること)を克服するために、支払うものの欲求を身体的・生理的な領域から解放し、交換の動機付けとなる欲求〔=欲望?〕を自己創出する動的システムのことなのだ。〔…〕資本システムは広告という意味媒体によって差異を自己生産し、私たちの欲求を創出する」
- イメージのメディア的機能
- 【世界/コンテクスト】指示的機能
- 【制作者】表出的機能
- 【受容者】能動的機能(→広告)
- 【約束事/コード】メタ絵画的機能
- 【イメージ】美的機能
- 島本浣、岸文和編『絵画のメディア学―アトリエからのメッセージ』
- 広告=受容者の未来の行動を指示するイメージ
- 「広告の目的は、見る者の現実の生活に対して最大限の不満を抱かせようとするものである。その社会の生活様式への不満ではなく、自分自身の生活への不満である。この商品を買えばあなたの生活はより良くなると広告は提案する。広告は見る者により良い状態にあるもう一つの彼を示す」。
- 「あらゆる広告は不安をかきたてる。すべてのことはお金に集約され、お金を手に入れることがその不安を克服することである。いいかえれば広告がかりたてる不安とは、何も持たなければ、自分自身も何者でもなくなってしまうという不安である」。
- その定義からいって広告にとって現在は不十分なものである。〔……〕束の間の生命しかない広告イメージは未来形しか用いない。これを買えば、あなたは魅力的になるだろう。こうした環境で暮らせば、あなたの人間関係はすべて快調で輝かしいものになるだろう。〔……〕広告は未来形で語る。しかしその未来への到達は限りなく先へ延ばされる。それではどのようにして広告は、その広範な影響を及ぼす説得力を保つのだろうか。広告が説得力を失わないのは、広告の真実性が、その広告の約束することが本当に実現されるかによって判断されるのではなく、〈見る者=購買者〉に与える幻想がどれだけ有効性を持つかによって判断されるからである。広告は本質的に、現実とではなく白昼夢と結びつく」。
- 消費者に呼びかける広告
- ルイ・アルチュセール『再生産について 上 イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置 (平凡社ライブラリー)』
- ジュディス・ウィリアムソン『広告の記号論―記号生成過程とイデオロギー (1985年) (Culture critique books)』
- アンドルー・ゴードン『ミシンと日本の近代―― 消費者の創出』
- 病と健康のレトリック
- 佐藤守弘「医薬品――病気と健康のあいだに」(『開封・戦後日本の印刷広告: 『プレスアルト』同梱広告傑作選〈1949-1977〉』)
- 「欲求need」と「欲望desire」のちがい
映像5, 広告の視覚文化論
- 広告の視覚文化論
- 反広告的実践:商品テストで家燃やす「とと姉ちゃん」モデル、暮しの手帖の驚き企画
- 戦前の薬の広告:病と健康のレトリック
- 丹平製薬と健脳丸
- 病/健康/生-政治
- 田中聡『健康法と癒しの社会史 (復刊選書)』
- ミシェル・フーコー『性の歴史 1 知への意志』
- 川村邦光『幻視する近代空間―迷信・病気・座敷牢、あるいは歴史の記憶 (復刊選書)』
- 佐藤守弘「病と健康のレトリック 1896~1939年――健脳丸の新聞広告と創出される病」『戦間期東アジアにおける大衆的図像の視覚文化論――新聞広告を中心に』(『大正イマジュリィ』別冊)、2020年3月、187-195
映像6, 視線と権力
- イメージと視線
- 観者を見つめるイメージ:はたらきかける「視線」
- ジェンダーと視線
- ティントレット《スザンナの水浴》
- ストーリー:「美しい若妻スザンナが沐浴しているときに、長老二人が近寄り、言い寄った。しかし、スザンナは拒絶した。逆恨みした長老たちは、スザンナを姦通罪で訴え、スザンナは死刑になってしまいそうになる。そこで、預言者ダニエルは二人の長老を尋問し、矛盾を暴き、スザンナの無実が実証された。二人の長老は死刑となった」(旧約聖書ダニエル書外典より)。
- 3つのまなざし
- スザンナを「覗き見」る長老たちのまなざし=見返されることのない「非対称」のまなざし
- 鏡を見るスザンナのまなざし=自らを見る:男性のまなざしを内面化したまなざし
- 絵を見る観者のまなざし=メタ・レヴェルのまなざし:ポルノグラフィ?
- ジェンダー=社会的、文化的に定められた性差(男らしさ/女らしさなど):生物学的な性差(セックス)とは区別される。
- 男性優位のジェンダー構成においては、男性は見る主体であり、女性は見られる対象となる。
- 視線の主体である男性は、「見る」という行為によって女性という「他者」を性格づける。
- 男性(主体)は、女性(他者)に付与したそれぞれの性格(受動的、露出、イメージ、感情、神秘、自然…)の反対語(能動的、窃視、言語、理性、好奇心、文化…)を自らに付与する。
- 「主体」とは先験的に存在する物ではなく、「他者」との関係の網目のうちに構築される物である。
- 「男は行動し、女は見られる。男は女を見る。女は見られている自分自身を見る。これは男女間の関係を決定するばかりでなく、女性の自分自身に対する関係をも決定してしまうだろう。彼女の中の観察者は男であった。そして被観察者は女であった。彼女は自分自身を対象に転化させる。それも視覚の対象にである。つまりそこで彼女は光景となる」(ジョン・バージャー『イメージ Ways of Seeing―視覚とメディア (PARCO PICTURE BACKS)』)。
- マネ《オランピア》の視線
- 「オリエンタリズム」と視線
- オリエンタリズム=ヨーロッパのオリエントに対する支配的言説の様式
- オリエントは…ヨーロッパ人の心のもっとも奥深いところから繰り返したち現れる他者イメージでもあった。そのうえオリエントは、ヨーロッパ(つまり西洋)がみずからを、オリエントと対照をなすイメージ、観念、人格、経験を有するものとして規定するうえで役だった(E・サイード『オリエンタリズム 上 (平凡社ライブラリー)』)。
- 視線の内面化
- 『パリ、テキサス』と視線のゲーム
映像7, 観光という視覚文化
- 19世紀視覚文化年表
- 1753 大英博物館開館
- 1791 ベンサム、パノプティコンを考案
- 1793 ルーヴル美術館開館
- 1794 バーカー、レスター・スクウェアにパノラマ館を開く
- 1811 tourismの語の初出
- 1822 この頃からパサージュが次々と建造される
- 1825 ストックトン〜ダーリントン間に世界初の商用鉄道開通
- 1839 ダゲールによる写真の発明が科学アカデミーで公表
- 1841 トーマス・クック、最初のマス・トゥーリズムを企画
- 1842 イギリスにおいて鉄道の統合
- 1843 パリ=オルレアン間の鉄道開通
- 1849 ブリュースター、ステレオスコープを開発
- 1851 ロンドン万国博覧会
- 1852 パリにてボン・マルシェ開店
- 1853 オースマンのパリ大改造(〜70)
- 1863 クック、パリ、スイスへのパック旅行を企画
- 1867 パリ万国博覧会
- 1889 パリ万国博覧会(エッフェル塔)
- 1895 リュミエール、シネマトグラフ初上映
- 1896 第一回近代オリンピック開催
- 鉄道と観光と広告
- トマス・クックとマス観光の発明(1841)
- イギリス国内→ヨーロッパ→オリエント→世界一周
- ダニエル・ブーアスティン『幻影(イメジ)の時代―マスコミが製造する事実 (現代社会科学叢書)』
- ジョン・アーリ『観光のまなざし―現代社会におけるレジャーと旅行 (りぶらりあ選書)』
- 国鉄/JR東海の観光キャンペーン史年表
- 1964 東海道新幹線開通
- 1968 「ヨンサントオ」ダイヤ大改正 →SLブーム
- 1970 大阪万博 「ディスカバー・ジャパン」 『an・an』『non-no』創刊
- 1978 「いい日旅立ち——DISCOVER JAPAN 2」
- 1984 「エキゾチック・ジャパン」
- 1987 国鉄分割民営化 「シンデレラ・エクスプレス」(以降エクスプレス・シリーズ×7)
- 1993 「そうだ 京都、行こう。」
- クリスマス・エクスプレスの頃
- 「ディスカバー・ジャパン」キャンペーン
- 沖縄と観光
- 戦後沖縄観光の歴史
- 沖縄海洋博
- 多田治『沖縄イメージの誕生―青い海のカルチュラル・スタディーズ』
- エキゾティックな場所としての沖縄
- YMOとセルフ・オリエンタリズム
- チャンプルー・ミュージック:沖縄音楽の発見
- トマス・クックとマス観光の発明(1841)