デザイン論特講 第7回

講義

視覚文化論 第7回

講義

  • イメージ/モノ/コトバとコンテクスト
    • 純化して言うなら、文化とは「共有された意味shared meaning」に関わるものである。そもそも言語は、とりあえず「意味を生みだす/理解するmake sense」——すなわち意味が生成produceされ、交換される——ことにおいて特権化された媒体mediumである。
    • 私たちが同一の言語に等しく通じているときにのみ、意味は共有される。したがって、言語こそが意味と文化の中心を占めるものであり、文化的な価値や意味をつねに貯える重要な場所と見なされているのである。
    • 人文科学や社会科学——特にカルチュラル・スタディーズや文化の社会学——において、「文化論的転回cultural turn」と呼ばれるようになってきたものは、文化の定義において意味meaningの重要さを強調する。文化とは、モノthings——小説や絵画、テレビ番組やマンガなど——の集合体であるだけでなく、プロセス、すなわち実践practiceの集合体でもあると論じられる。第一義的に、文化とは、社会や集団の構成員間における意味の生成と交換——すなわち「意味の贈答」——に関するものである。二人の人が同じ文化に属するということは、二人が世界を大まかに同じように解釈していて、彼女/彼ら自身のことや、世界に対する考えや感情を、お互いが理解しあえるような仕方で、表現することができるということである。したがって文化とは、自らの周りに起こることを意味あるように解釈し、おおまかに似たかたちで世界を「理解する=意味を作る〔make sense〕」参加者に依存するものなのである。
    • 文化的な実践を強調することは、重要なことである。ある文化の参加者こそが、人やモノや出来事に意味を与えるのである。モノは「それ自身の中」に、単一の、固定した、不変の意味を具えることは、あったとしてもほとんどない。石のように明白に見えるものでも、それは石であったり、境界のしるしであったり、彫刻であったりするであろう。それは、それが何を意味するのか、すなわち、ある特定の使用のコンテクスト、哲学者がさまざまな「言語ゲーム」(つまり境界線の言語、彫刻の言語など)と呼ぶものに依る。私たちがものを使うこと、私たちがものについて語り、考え、感じること——私たちがものを表象すること——こそが、私たちがものに意味を与えるということなのである。部分的には、私たちはモノ、人、出来事に、私たち自身の解釈の枠組みによって、意味を与える。
    • 意味とコンテクスト:「石」を例にして

芸術学A 第7回

デザイン理論特講 第7回

課題

  • 履修者による口頭発表(一回のセミナーにつき2、3人。再来週から)
    • 自分が興味がある作品や影響を受けた作品を一点選び、それにキャプション(制作者名、作品タイトル、制作年、サイズ、メディア)をつけ、作品を「記述」した原稿を書き、それを口頭で発表(10分程度)する。
    • 必ず3000字程度の原稿を書くこと。フリー・トークは厳禁。

講義

デザイン論特講 第6回

講義

視覚文化論 第6回

講義

  • イメージ/モノ/コトバとコンテクスト
    • 純化して言うなら、文化とは「共有された意味shared meaning」に関わるものである。そもそも言語は、とりあえず「意味を生みだす/理解するmake sense」——すなわち意味が生成produceされ、交換される——ことにおいて特権化された媒体mediumである。
    • 私たちが同一の言語に等しく通じているときにのみ、意味は共有される。したがって、言語こそが意味と文化の中心を占めるものであり、文化的な価値や意味をつねに貯える重要な場所と見なされているのである。
    • 人文科学や社会科学——特にカルチュラル・スタディーズや文化の社会学——において、「文化論的転回cultural turn」と呼ばれるようになってきたものは、文化の定義において意味meaningの重要さを強調する。文化とは、モノthings——小説や絵画、テレビ番組やマンガなど——の集合体であるだけでなく、プロセス、すなわち実践practiceの集合体でもあると論じられる。第一義的に、文化とは、社会や集団の構成員間における意味の生成と交換——すなわち「意味の贈答」——に関するものである。二人の人が同じ文化に属するということは、二人が世界を大まかに同じように解釈していて、彼女/彼ら自身のことや、世界に対する考えや感情を、お互いが理解しあえるような仕方で、表現することができるということである。したがって文化とは、自らの周りに起こることを意味あるように解釈し、おおまかに似たかたちで世界を「理解する=意味を作る〔make sense〕」参加者に依存するものなのである。
    • 文化的な実践を強調することは、重要なことである。ある文化の参加者こそが、人やモノや出来事に意味を与えるのである。モノは「それ自身の中」に、単一の、固定した、不変の意味を具えることは、あったとしてもほとんどない。石のように明白に見えるものでも、それは石であったり、境界のしるしであったり、彫刻であったりするであろう。それは、それが何を意味するのか、すなわち、ある特定の使用のコンテクスト、哲学者がさまざまな「言語ゲーム」(つまり境界線の言語、彫刻の言語など)と呼ぶものに依る。私たちがものを使うこと、私たちがものについて語り、考え、感じること——私たちがものを表象すること——こそが、私たちがものに意味を与えるということなのである。部分的には、私たちはモノ、人、出来事に、私たち自身の解釈の枠組みによって、意味を与える。
    • 意味とコンテクスト:「石」を例にして

芸術学A 第6回

講義

デザイン理論特講 第6回

自分自身の作品を紹介する

  • 「作品」とその外部
    • 額縁、タイトル、キャプション、解説文、展覧会場、ギャラリー・トーク、カタログ
  • 作品とキャプション:記述の第一歩
  • 比喩としての作品タイトル
    1. 記述(換喩/提喩)タイプ
    2. メタファー(隠喩)タイプ
    3. 「無題」タイプ
  • メディアの記述法
    • 絵画=支持体+絵具 
      • 例:紙に水彩(水彩・紙)、絹本著色
    • 版画=版の技法
    • 印刷=刷りの技法
    • 写真=プリント技法
      • 例:ゼラティン・シルヴァー・プリント、ラムダ・プリント
    • 映像=記録メディア
      • 例:16mmフィルム、ヴィデオ
    • 立体=素材(時に技法)
      • 例:ブロンズ、寄木造
    • 陶芸・漆芸=技法+器形(これがタイトルになることも)
      • 例:青磁平皿、蒔絵手箱
    • テキスタイル=技法+素材
      • 例:型染・綿・反応性染料、綴織・綿糸・ウール紙
    • その他
  • サイズの記述法
      • 縦x横(あるいは径)x高
  • 作品を記述することとは?
    • 対象(内容)と形式=「何」を「どのよう」に表しているか

デザイン論特講1 第5回

講義

    • 展示とコンテクスト

視覚文化論 第5回

講義

芸術学A 第5回

講義

今週の一曲

デザイン理論特講 第5回目

自分自身の作品を紹介する

  • 「作品」とその外部
    • 額縁、タイトル、キャプション、解説文、展覧会場、ギャラリー・トーク、カタログ
  • 作品とキャプション:記述の第一歩
  • 比喩としての作品タイトル
    1. 記述(換喩/提喩)タイプ
    2. メタファー(隠喩)タイプ
    3. 「無題」タイプ
  • メディアの記述法
    • 絵画=支持体+絵具 
      • 例:紙に水彩(水彩・紙)、絹本著色
    • 版画=版の技法
    • 印刷=刷りの技法
    • 写真=プリント技法
      • 例:ゼラティン・シルヴァー・プリント、ラムダ・プリント
    • 映像=記録メディア
      • 例:16mmフィルム、ヴィデオ
    • 立体=素材(時に技法)
      • 例:ブロンズ、寄木造
    • 陶芸・漆芸=技法+器形(これがタイトルになることも)
      • 例:青磁平皿、蒔絵手箱
    • テキスタイル=技法+素材
      • 例:型染・綿・反応性染料、綴織・綿糸・ウール紙
    • その他
  • サイズの記述法
      • 縦x横(あるいは径)x高
  • 作品を記述することとは?
    • 対象(内容)と形式=「何」を「どのよう」に表しているか

デザイン論特講 第4回

告知

講義

視覚文化論 第4回

告知

さまざまな「カルチャー」

  • ハイ・カルチャー=高級文化
    • ドミナント・カルチャー=ある共同体の主流を占める文化。しばしばハイ・カルチャーと同義
  • ロー・カルチャー=低級文化。被支配者層の文化
    • ポピュラー・カルチャー=民衆文化。近代に限らない。
    • マス・カルチャー=大衆文化。多くの人達のために大量に作られる文化。複製技術を前提にする。
    • ポップ・カルチャー=ポピュラー・カルチャーと同義にも用いられることもあるが、つかの間の流行といった意味も持つ。
    • サブカルチャー=主流ではない、周縁的な文化

講義

芸術学A 第4回

講義


https://satow-morihiro.hatenablog.com/


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