質問
- Bronzino | An Allegory with Venus and Cupid | NG651 | National Gallery, London
- 右下にある仮面が上部にいる時の娘と男に似ているなという風に感じました。よく見てみると両者とも鼻の形が微妙に違っていたことから仮面と二人に因果関係はないのかなとは感じたのですが、先生は仮面は仮面で全くの別ものだと捉えますか?
講義
- 作品の内容と形式
- 「なにを」「どのように」あらわすのか
- 内容=主題、対象、被写体、物語、機能(デザイン)など
- 形式=線、形、色、構図、アングル、素材、展示形態など
- 「なにを」「どのように」あらわすのか
- 「芸術/アート」とはなにか?
- げい‐じゅつ【芸術】:『広辞苑』の定義
- art=技術・学問・芸術
- 「art」の用法の歴史
- 技術/技芸
- 美しい芸術
- 「芸術のための芸術」
- Oxford English Dictionary
- 近代とはなにか
- 近代における「芸術」概念
- 「歴史や文化から自立した『作者』が、徹底的な自己批判を通じて創り出す独創的で自律的な『表現』」
- 一般的/近代的な「芸術」に関する定義=「芸術とは、剽窃であってはならない。つまりそれは、だれかある個人が、自分の手でつくったものであり、しかも過去にすでにあるものを模倣したり剽窃したりするのではなく、かれの「独創」によるものでなくてはならない。そのような意味で、芸術とは「創造」なのである。こうして創造された作品は、たんなる器具のような有用性に意味がある品物ではなく、とりわけ便器のような卑俗な、さらには不道徳なものであってはならない。作品は、独創において他からくっきりと際だたせられた一個の自立的な存在として、それ自体に固有の意味と価値をもち、またその価値において、これを鑑賞する者の教養や趣味の陶冶をつうじて、あるべき人間性と道徳をたかめるものでなければならない(西村清和『現代アートの哲学 (哲学教科書シリーズ)』)」。←これって今でも有効か?
- 「〔19世紀以来の近代資本主義の文化的表現〕では、制度や慣習がどうであれ、私は自分をこのように表現するという、近代的な主体の表現としての芸術が目指される。〔…〕それにあたって、〔…〕絵画は絵画に固有のランゲージ、音楽は音楽に固有のランゲージへと、自己批判を通じて自己純化をしていけばいい〔…その結果〕一方には、芸術家というハダカの主体、他方には絵画でいえば平面の上での色とかたち、音楽でいえば時間の中での音の組織の展開だけが残る。(浅田彰「ポストモダン・アート」、『ur』No.2, ペヨトル工房、1990)
- 絵画の近代