芸術学概論(1) 講義概要

芸術学概論(1)

  • 月曜日5時限

講義の目的

  • イメージとヴィジュアル・リテラシー
    • 私たちは,日頃,雑誌やテレビ,インターネットなどで,さまざまな視覚的イメージに接触し,それらから情報を得ている。では,私たちはどのようにして,イメージから意味を読み取っているのだろう。 
    • 本講義では,視覚的イメージをコミュニケーションのためのメディアと考え,ヴィジュアル・リテラシー(視覚的な読み書き能力)について理解を深めることを目標とする。扱う対象は,絵画,映画,マンガとさまざまなメディアにわたるが,それらが意味をどのように作り上げているのか,どのように伝えているのか,そういったメカニズムについて理解を深めていきたい 
    • さらに,そのような理解の上で,近代における芸術という制度の成立や変容を幅広く見ていくことによって,芸術と歴史・社会との関わりを再考する。絵画やデザイン,さらには音楽におけるモダニズム近代主義)の確立と変容を通じて,私たちが今日受容している芸術というものがどのような歴史的,思想的プロセスを経て成立してきたのかを問いたい。

講義の進め方

  1. イントロダクション——「芸術」=“Art”?
  2. ヴィジュアル・リテラシーとは——「見る」ことと「分かる」こと
  3. コミュニケーション・メディアとしての視覚的イメージ——交通標識の単語/文法
  4. マンガのヴィジュアル・リテラシー1——イメージとテクスト
  5. マンガのヴィジュアル・リテラシー2——コマの統語法
  6. 物語映画の文法——ショットとモンタージュ
  7. 初期映画——驚きとアトラクション
  8. 遠近法と写真——世界の捉え方
  9. 絵を「読む」—— 絵画と意味
  10. 絵画の内容・絵画の形式——「何」を「どのよう」に描くのか
  11. 西洋絵画における近代性——「意味」からの脱却
  12. 絵画のモダニズム——「主体」と「表現」の神話
  13. 音楽における近代性——モダン・ジャズを中心に
  14. デザイン/ファッション/建築のモダニズム——機能と形態
  15. 振り返りとまとめ

評価方法/基準

  • 平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等):30%
  • レポート:70%
    • レポートの内容は,受講生が任意のイメージを選び,それを詳細に記述し,講義で扱う作品の構造を分析するというものになる予定。取り上げた対象をしっかりと自分の目で見て,それを論理的に説明できているかどうかが評価のポイントである。

芸術学特論(1) 講義概要

芸術学特論(1)

  • 金曜日2時限

講義の目的

  • イメージと文化
    • 本講義では,視覚文化論(ヴィジュアル・カルチャー・スタディーズ)という研究分野を概観する。「視覚文化」には,いわゆる美術のほか,写真,映画,テレビ,広告,マンガ,ファッション等,幅広い対象が含まれる。私たちはこうした視覚的イメージを,どのようにして見,どのようにして理解しているのだろうか。私たちを取り巻くこうした視覚文化の数々を読み解くための方法を,まずは現代におけるさまざまな文化理論を紹介した上で,広告などを例として考察する。さらに現代の視覚文化の基礎となる19世紀における視覚の変容を追っていく。

講義の進め方

  1. イントロダクション:視覚文化とはなにか
  2. 「文化」とは一体何なのか:文化概念の変容
  3. ストリート・カルチャーから「文化」を考える
  4. メディウムとメディア:文化と媒介
  5. 記号と表象:意味とコンテクスト
  6. 視覚的イメージのメディア的諸機能
  7. 広告の記号論:外示と共示
  8. CM映像のレトリック:切り返しと主観ショット
  9. 19世紀の視覚文化:視覚遊具からパノラマへ
  10. 万国博覧会と近代的視覚
  11. 写真・観光・博覧会:世界を視るプロジェクト
  12. 鉄道の視覚文化:パノラマ的風景の誕生
  13. 初期映画とアトラクションの美学
  14. トポグラフィの視覚文化論
  15. 振り返りとまとめ

評価方法/基準

  • 平常点(出席,クラス参加,グループ作業の成果等):30%
  • レポート:70%
    • 任意の視覚的イメージを一点選び,それを丁寧に記述し,講義内容に基づいてそれを分析,解釈するタイプのレポートになる予定。取り上げた対象をしっかりと自分の目で見て,それを論理的に説明できているかどうかが評価のポイントである。

デザイン理論特講 講義概要

デザイン理論特講(京都精華大学大学院芸術研究科)

  • 木曜日2時限

講義の目的

  • デザインと言葉
    • 本講義では、デザインが近現代の社会でどのような役割を果たして来たのかについて、さまざまな角度から追求する。ヴィジュアル・カルチャー論やマテリアル・カルチャー論の視座から、芸術やマンガなどの隣接諸文化=領域との関わりはどのようなものであるのか、デザインがどのように流通し受容されるかなど、さまざまな問題から近現代デザインの歴史や理論を考察する。また同時に自らのデザイン制作のコンセプトを他者に明快かつ論理的に説明する方法についても教授する。各人一回の口頭発表は必須。

講義の進め方

  1. イントロダクション
  2. デザインと「ことば」
  3. ヴィジュアル・カルチャー論とマテリアル・カルチャー論
  4. ヴィジュアル/マテリアル・カルチャーと社会
  5. マテリアリティの可能性:モノの意味作用
  6. 使用者によるデザイン:カスタマイズとブリコラージュ
  7. デザインをいかに伝えるか
  8. デザインとコンセプト
  9. デザインを言語化する
  10. プレゼンテーションの方法1
  11. プレゼンテーションの方法2
  12. 受講生による発表1
  13. 受講生による発表2
  14. 受講生による発表3
  15. まとめ
    • 受講生の人数により、内容は変更される可能性がある。

評価方法/基準

  • 平常点:40%
  • 発表:20%
  • レポート:40%

芸術表象論 第15回

告知

  • 補講は2月3日(月)3,4講時に行います。

講義

  • 複製技術の歴史
    • 貨幣と鋳造
    • 版画から写真へ

芸術学B 第15回

告知

  • 補講は2月3日(月)1,2講時に行います(ただしスタートは10時)。

デザイン論特講 第15回

レポート課題

  • レポートテーマ:現代社会におけるモノと人間の関係について、講義で触れた物質文化、ヴァナキュラー文化、都市とストリートなどの問題を踏まえつつ、具体例を挙げて論述する。
    • 引用元、情報の出典、参考文献(書籍、ウェブなど)は、文末にリストの形で必ず明記すること(下記の字数には含めない)
  • 書式:A4用紙横書き(ワープロを推奨) ホッチキスは左上
    • 字数:1200〜2000字
    • 取り上げたイメージを、必ずコピー(白黒でも可)、あるいは印刷してレポートに添付すること。
    • 提出場所 教務チーム前提出ボックスへ提出
    • 提出期限 レポート一斉提出期間:1月24日(金)~1月31日(金)17:00

講義

  • 講義のまとめ:路上・ヴァナキュラー・物質文化
    • 建築研究者であり、「考現学」を唱導した今和次郎(1988〜1973)は、「人間がそのいる場所に、無意識のうちに築いている、いろいろな跡、すなわちいろいろなものをとり散らかしている有様そのまま」を「建築外の建築」と呼び、それに注意を向けることは「人間の動作の源泉の真理」を考えることにつながると述べた。デザイン/建築を、作者により完成された作品として扱うのではなく、それがどのように使われ、どのように作者の意図から離れたところで改変されていくのか。本講義では、路上、物質文化論、ヴァナキュラー文化をキー概念として、都市空間における視覚/物質文化の多様性を考えてきた。

参考文献+ウェブサイト

芸術表象論 第14回

告知

  • 来週31日も講義はあります。
  • 補講は2月3日(月)3,4講時に行います。

レポート課題

  • 場所と人間を媒介するメディア(風景画/写真、サイト・スペシフィック・アート、グラフィティなど)に注目して、そのメディアがどのように場所と人間をつないでいるのかを論述する。かならず具体例を提示すること。
  • 書式:A4用紙横書き(ワープロを推奨) ホッチキスは左上
    • 字数:1200〜2000字
    • 取り上げたイメージを、必ずコピー(白黒でも可)、あるいは印刷してレポートに添付すること。
    • 提出場所 教務チーム前提出ボックスへ提出
    • 提出期間:レポート一斉提出期間:1月24日(金)~1月31日(金)17:00

講義

芸術学 第14回

告知

  • 来週31日も講義はあります。
  • 補講は2月3日(月)1,2講時に行います(ただしスタートは10時)。

レポート試験

  • レポート課題:任意のイメージ(絵画、写真、イラスト、マンガなどの静止画)を一点採り上げ、講義内で行われたヴィジュアル・リテラシーの問題などを踏まえた上で、そのイメージの魅力について論述する。
    • マンガ、絵本などは、本全体を扱うのではなくて、最大見開き1ページまで(ひと目で見られるまでの範囲)を分析すること。
    • 引用元、参考文献(書籍、ウェブなど)は、文末にリストの形で必ず明記すること(下記の字数には含めな い)
    • 書式:字数:1200〜2000字
    • 形式:A4用紙縦使い、横書き、ワープロ推奨(明朝体)、ホッチキスは左上とめ
    • 取り上げたイメージを、必ずコピー(白黒でも可)、あるいは印刷してレポートに添付すること。
  • 提出場所:教務チーム前提出ボックスへ提出
  • 提出期間:レポート一斉提出期間:1月24日(金)~1月31日(金)17:00

講義

  • 近代における「芸術」概念
    • 「〔19世紀以来の近代資本主義の文化的表現〕では、制度や慣習がどうであれ、私は自分をこのように表現するという、近代的な主体の表現としての芸術が目指される。〔…〕それにあたって、〔…〕絵画は絵画に固有のランゲージ、音楽は音楽に固有のランゲージへと、自己批判を通じて自己純化をしていけばいい〔…その結果〕一方には、芸術家というハダカの主体、他方には絵画でいえば平面の上での色とかたち、音楽でいえば時間の中での音の組織の展開だけが残る。(浅田彰ポストモダン・アート」、『ur』No.2, ペヨトル工房、1990)
  • 音楽のモダニズム
    • 「モダン・ジャズ」はどのように「近代的」なのか
      • 「ビ・バップ」とジャズの近代化
        • ダンス、歌の排除
        • 編成の縮小
        • コード(和音)に則った即興演奏→芸術家としての「演奏者」

プレモダン・ジャズからモダン・ジャズ(モダニズム)、そして

デザイン論特講 第14回

告知

  • 補講は1月30日(木)3講時に行います。

レポート課題

  • レポートテーマ:現代社会におけるモノと人間の関係について、講義で触れた物質文化、ヴァナキュラー文化、都市とストリートなどの問題を踏まえつつ、具体例を挙げて論述する。
    • 引用元、情報の出典、参考文献(書籍、ウェブなど)は、文末にリストの形で必ず明記すること(下記の字数には含めない)
  • 書式:A4用紙横書き(ワープロを推奨) ホッチキスは左上
    • 字数:1200〜2000字
    • 取り上げたイメージを、必ずコピー(白黒でも可)、あるいは印刷してレポートに添付すること。
    • 提出場所 教務チーム前提出ボックスへ提出
    • 提出期限 レポート一斉提出期間:1月24日(金)~1月31日(金)17:00

パンクとブリコラージュ

英書購読 最終回

期末レポート課題

  • 遠近法を使ったイメージを一点(任意)選び、そのイメージをできるかぎり詳細に観察した上で記述し、使われている遠近法がどのような効果を与えているかを論述する。
    • 論述の対象として選んだイメージやモノの複製図版を必ず添付すること
    • 用紙 A4判用紙(縦使い、ホチキスは左上)
    • 枚数・字数 1500-2000字
    • 記入方法 ワープロ
    • 書式 ヨコ書
    • 提出先 事務室
    • 提出期限:2020年2月6日

写真論 第15回

レポート課題

  • 任意の写真を一点選び、その写真が「何を」「どのように」表しているかを記述した上で、講義で触れた写真の理論を踏まえて論述する。
    • 取り上げる写真は、いわゆる「芸術作品」に限らず、報道、広告、あるいはプライヴェートな写真でもよい。
    • 書式:字数:本文1200〜2000字(参考文献表、註などをのぞく)
    • 形式:A4用紙縦使い、横書き、ワープロ推奨、ホッチキスは左上
    • 注意事項:選んだイメージを必ず添付すること(モノクロ・コピー、あるいは印刷)
    • 引用元、情報の出典、参考文献(書籍、ウェブなど)は、文末にリストの形で必ず明記すること(上記の字数には含めない)
    • 提出期限:1月24日(金)~1月31日(金)17:00
    • 提出方法:教務チーム前提出ボックスへ提出

まとめとふりかえり


https://satow-morihiro.hatenablog.com/


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19年度前期芸術学A視覚文化論デザイン論特講1デザイン理論特講(大学院)/a> 講演、特別講義など

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